ガボール・マテ著 伊藤はるみ訳
身体が「ノー」と言うとき   
――抑圧された感情の代価
「いやだ!」「ノー!」と言わなければ、結局、身体がわたしたちの代わりに「ノー」と言い始めるだろう。

 患者たちの語りから垣間見える、無力でストレスに満ちた子供時代。環境に自分を合わせ、生き延びるために無意識にとった戦略が病気の元となるとは……。
  抑圧された感情がいかに自己免疫疾患をはじめとするさまざまな症状を引き起こすかを、患者へのインタビューを中心に“精神神経免疫学”の観点から解き明かす。
  著者が患者に行なったインタビューの他、レーガン元大統領、フォード元大統領夫人、スティーヴン・ホーキング、ルー・ゲーリック、ジャクリーヌ・デュ・プレ(天才チェリスト)など有名人のエピソードも多数掲載。しっかりした医学的知見と心理学的的洞察に基づいた説得力のある一書。


【目次より】

第1章 医学のバミューダ三角海域
第2章 いい子すぎて本当の自分を出せない女の子
第3章 ストレスと感情コンピテンス
第4章 生きたまま埋葬される
第5章 もっといい子になりたい
第6章 ママ、あなたも「がん」の一部なのよ
第7章 ストレス・ホルモン・抑圧・がん
第8章 何かいいものがここから出てくる
第9章 「がんになりやすい性格」は存在するのか
第10章 55パーセントの法則
第11章 単なる思い込みにすぎない
第12章 上の方から死んでいく
第13章 自己と非自己――免疫系の混乱
第14章 絶妙なバランス――人間関係の生物学
第15章 喪失の生物学的影響
第16章 世代を超えて
第17章 思い込みのメカニズム
第18章 ネガティブ思考の力
第19章 治癒のための七つのA

【著者紹介】 ガボール・マテ (Gabor Mate M. D.)
バンクーバー在住の医師。注意欠陥多動性障害をテーマにしたベストセラー『ばらばらの心 Scattered Mind』の著者。ほかにゴードン・ノイフェルトとの共著による『子供を離さないで:どうして親が重要なのか Hold on to Your Kids: Why Parents Matter』がある。開業医を20年以上を続け、緩和ケア専門医で心理セラピストでもある。バンクーバーのダウンタウン・イーストサイドにある路上生活者施設の医療スタッフも務める。また、『バンクーバー・サン』紙と『ザ・グローブ・アンド・メイル』紙に長年コラムを書いている。

【訳者紹介】 伊藤はるみ
1953年、名古屋市生まれ。愛知県立大学外国語学部フランス学科卒。主な訳書に、ロッシ『精神生物学』、ヘルマリング『みんなに好かれる人、避けられる人』、ブローディ『プラシーボの治癒力』(以上、日本教文社)、ウィルキンソン『古代エジプト・シンボル事典』、コリンズ他『ツタンカーメンと出エジプトの謎』(以上、原書房)がある。

▽四六判・並製
434頁


ISBN4-531-08147-1
初版発行 2005年9月


日本教文社刊

 

日本教文社トップページへ