ジョン・デ・グラーフ+デイヴィッド・ワン+トーマス・H・ネイラー著 上原ゆうこ訳
消費伝染病「アフルエンザ」
なぜそんなに「物」を買うのか
○大量消費社会はもうすぐ破綻する――アメリカ発、世界に蔓延する「ショッピング最優先社会」の病理とは?

アフルエンス(豊かさ、裕福さ)+インフルエンザ=アフルエンザ(豊かさ病)――
私たちの心をむしばみ、コミュニティを崩壊させ、地球の資源を食い尽くす、強迫的な消費病「アフルエンザ」の驚くべき実態とは? そしてその処方箋は?
買い物依存症のあなたや、あなたの家族も、「アフルエンザ」にすでに感染しているかも……。

★「アフルエンザ」社会に生きる人たちの典型的症状★
・本当に買いたい物がないのに、毎日のようにショッピングセンターに行く
・買い物をすると幸福感がわき上がるが、その後すぐに不安に襲われる
・自分の「買い物中毒」的状態がコントロールできない
・家の中がガラクタであふれ収納場所がないのに、要らないものばかりを買う
・職場の同僚やテレビに出てくる人たちと比べて、自分の家や持ち物にすごく劣等感を抱く
・今使っているものを使い古す前に、すぐ新製品に買い換えてしまう
・毎週のショッピング時間の方が、家族と一緒に過ごす時間より多い
・「豊かな生活」を維持するための長時間労働があたりまえになる
・消費活動以外のコミュニティ活動や地元の文化が衰退し、犯罪が増加する
・給与水準は下がっていないのに、借金や自己破産が増える
・浪費〜廃棄にリサイクルが追いつかず、環境汚染やゴミ問題が慢性化する

【目次より】
序文/はじめに
序章……「アフルエンザ」とは?
■第1部……アフルエンザの諸症状
第1章 ショッピング熱
第2章 「破産」という名の発疹
第3章 「肥大」する欲求
第4章 慢性的な過密状態
第5章 「過剰」によるストレス
第6章 緊張でけいれんする家族
第7章 狙われる子供たち
第8章 寒さにふるえるコミュニティ
第9章 「意味」を求める痛み
第10章 社会の傷跡
第11章 資源の枯渇
第12章 産業の下痢
第13章 アフルエンザ・ウイルスがもたらす中毒
第14章 不満は保証されている

■第2部……アフルエンザの原因
第15章 物への欲求という原罪
第16章 アフルエンザの予防
第17章 行かなかった道
第18章 アフルエンザ流行の始まり
第19章 アフルエンザの時代
第20章 アフルエンザを治せる医者はどこにいるのか?

■第3部……アフルエンザの治療
第21章 回復への道
第22章 患者は安静に
第23章 アスピリンとチキンスープ
第24章 新鮮な空気
第25章 正しい薬
第26章 仕事への復帰
第27章 ワクチンとビタミン
第28章 アフルエンザへの政治的処方箋
第29章 毎年の健康診断
第30章 再び健康に

訳者あとがき

【著者紹介】
ジョン・デ・グラーフ(John de Graaf)=テレビ・ドキュメンタリー番組のプロデューサーとして25年以上活躍。「地球のために――環境保護の先駆者デイヴィッド・ブラウアーの生涯と時代」など多くの作品がある。著書に『あなたの時間を取り戻せ――アメリカの働き過ぎと時間飢餓と闘う』などがある。
デイヴィッド・ワン(David Wann)=環境科学者。10年以上米国環境保護局の政策アナリストをつとめ、大学講師でもある。環境的に持続可能な生活スタイルに関する多くのビデオやテレビ番組をプロデュース。著書に『ディープ・デザイン――生存可能な未来への道』などがある。
トーマス・H・ネイラー(Thomas H. Naylor)=デューク大学経済学名誉教授。著述家、社会批評家でもあり、30カ国以上の政府や大企業の顧問をしている。文明的生活のあらゆる側面の簡素化や共同体の価値再考についての記事を、「ニューヨークタイムズ」「ロサンゼルスタイムズ」他に寄稿。ABC、CBS、CNN、CBCといった主要テレビネットワークにも出演。著書に『ダウンサイジング・ザ・USA』(共著)などがある。

【訳者紹介】
上原ゆうこ=神戸大学農学部卒業。農業関係の研究員。広島県在住。専門分野は自然科学、農業、コンピュータ関連。訳書に、バーンスタイン『癒しのガーデニング』(日本教文社)がある。
▽四六判・並製
432頁

ISBN4-531-08141-2
初版発行 2004年11月


日本教文社刊

 

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