谷口雅宣著
秘境
森にひとり棲むその少女は、
ひとりの新聞記者の人生を変えた――
人と自然の未来を問いかける、感動のエコロジー小説!

●東北の山中で生き続けてきた、自然の「化身」のような少女と、
彼女を現代社会に連れ出そうとする新聞記者との魂の交流。
二人を待っていた運命とは……?

「光の泉」2003年10月号から2005年8月号に大好評連載の長編小説を大幅改稿し、
新たに書き下ろし最終章を加えた完全版、待望の単行本化なる!


【あらすじ】

 山形合同新聞の記者・塚本敬三はある日、ダム建設のため約50年間も孤立した山奥の集落で、今も一人の少女が生きていることを偶然知る。彼はこの「現代の秘境」を特ダネにしようと、水没したトンネルを通りぬけ、その少女サヨと出会う。
  自分で作物をつくり、木の実やキノコを採集し、魚を獲り、火も自分で起こし、亡き父母の霊に語りかけ、全ての動物や植物たちの営みの背後にある「神」を拝むサヨ。そんな彼女の生き方に塚本は深く感動し、その生活ぶりを「森の奥から」という連載記事に書いていく。
  しかし、塚本がサヨに抱いた共感はいつしか彼の心に大きな疑問を生む。独りぼっちのサヨを秘境から「救出」して再教育を施し、その過程をルポし続けようと考えていた彼は、彼女をこの「50年後の世界」に連れてくることで、今までの生き方を捨てさせることが正しいのか、迷い始めるのだった。
  そして塚本のスクープを追ってサヨの救出日にダムに姿を現わした、ライバル紙の敏腕記者、金森との対決。秘境から街にやってきたサヨの運命は? 果たして塚本のとった選択は……?

【著者紹介】 谷口雅宣(たにぐち・まさのぶ)
1951年東京生まれ。青山学院大学法学部卒。米国コロンビア大学修士課程修了(国際関係論)。産経新聞記者を経て1990年、生長の家副総裁就任。著書に『神を演じる人々』(日本教文社刊)、『神を演じる前に』『今こそ自然から学ぼう』『足元から平和を』(生長の家刊)、『小閑雑感 Part 1〜6』(世界聖典普及協会刊)、訳書に『叡知の学校』(日本教文社刊)などがある。
ウェッブサイト: http://www.MasanobuTaniguchi.com/
▽四六判上製
292頁

ISBN4-531-05253-6
初版発行 2006年11月


 

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